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絵付けについて:よく使われる装飾技法

よく使われる装飾技法
 
ここでは、よく使われる装飾技法を解説します。

金彩

盛り



チップ・オフ

マーブルローション・クラックローション

金彩
  金液を筆やスポンジを使い装飾する方法。
チャイナペイントで使う金液にはブライト金とマット金があります。ブライト金は光沢があり派手な感じがしますが、金の含有量は少なく、塗る時は飴色に塗ると発色します。

マット金はブライト金に細かく砕いた金粉(金箔)を混ぜたもので、その金粉の含有量により焼成後の色味も違ってきます。塗るときはブライト金よりも濃い目(金液の種類により色味が多少違うので何色とも言えませんが)に塗るときれいに発色します。

マット金をきれいに塗るコツは、まずよく攪拌し少しずつタイルの上に取り出しパレットナイフでよく練ってから使います。途中で固くなったときには金液を足し、それでも固かったら金油をほんの少しだけ足しパレットナイフで良く練って使います。金液は基本は薄めずに原液のまま使うものなので、あまり金油で薄めすぎないようにして下さい。

金液の焼成温度

 最近の金液は高温焼成が可能なので、800℃前後で焼成することができます。絵の具を焼き付けた上に金彩をした場合は、絵の具が金をつかんでくれるので650℃〜700℃位でもきれいに焼き付きます。

金彩のトラブルと対処法

 ・綺麗に発色しない…………… 焼成温度は適当ですか?
 ・はがれてしまった…………… 濃く塗りすぎていませんか? (濃く塗りすぎると、金液に含まれる樹脂が爆発するため剥がれるのです)
 ・ムラになってしまった……… 乾燥が不十分なまま焼成するとムラになることがあります。
 ・曇ってしまった…………… 急激に温度を上げすぎていませんか?(金液に含まれる樹脂が燃え残ってしまうと曇ります)
 ・亀裂が入った……………… 焼成温度が高すぎませんか?

盛り
  盛りには金下盛りや色盛り、マットな盛り剤を使ってカメオ風の感じを出す方法などいろいろあります。盛り上げ剤もいろいろですが、ここでは失敗の少ないレイズドペースト・エナメルを使ったオーソドックスな盛りを紹介します。

金下盛り

レイズドペースト・エナメルに専用の希釈液(エナメルシンナー、レリーフオイルなど)を加え適当な固さになるよう注意してパレットナイフで良く練ります。固さの目安は、タイルの上にパレットナイフで練ったレイズドペーストを山にして置いたとき、山のてっぺんの角がトロリと崩れるくらいです。それを筆やスタイラスで置いていきます。

色盛り

レーズドペースト・エナメルに20%ほど絵の具を混ぜ、希釈液を加え適当な固さに練ります。固さは金盛りと同じくらいです。どちらの盛りも大切なことはよく練って適度な固さを保つことです。盛りの達人は盛っている時間より練っている時間のほうが多いとさえ言われます。

焼成

よく乾かしてから760℃〜800℃で焼成します。
金盛りの場合、盛りをしたあと金彩をするときには10℃位下げます。


金下盛り 色盛り


  金箔、銀箔、銅箔、錫箔、などがあり、その中でもさらに厚口、薄口、ひび割れをつくった研磨箔などがあります。

非常に薄いので取り扱いには細心の注意を要します。厚口が使いやすいですが、薄口を貼り少し高めの温度で焼成し、わざと焼き飛ばしてかすれた感じにすることも出来ます。厚口地でカバーコートの付いたものや、最近では”うつし紙”という台紙についたもの、そのまま焼き付けることができるフィルムについたものがあります。

チャイナペイントの場合、調合油で貼り付けて焼成することが多いですが、アラビアゴム糊とカバーコートを使うとしっかりつきます。

金箔

チップ・オフ
  白磁の表面に剥離剤を塗り、焼成すると表面の釉薬が剥がれまるでノミで削ったような模様が現れます。そこに金彩などをして独特の効果を楽しむものです。

チップ・オフ(粉)を水で溶き、剥がそうとする場所にパレットナイフで盛り上げます。すぐに乾くので、そのまま800℃で焼成します。焼成するとチップオフを塗布した部分の釉薬がめくれ上がってくるので、固いもので削り取ります。



マーブルローション・クラックローション
  ラスターや金にひび割れを作りたい時に使います。

白磁にラスターや金を塗ったときにも使えますが、下地に絵の具で色を塗って焼成しその後に金やラスターを塗って使ったり、金を焼成してからその上にラスターを塗って使うなど、複雑な効果が楽しめます。塗るタイミングや焼成のタイミング、また塗布する厚さなどによりひび割れ具合がちがってきます。

初めてのかたは何度か実験してから使うことをおすすめします。一応の目安としては金液が乾きかかったとき(指で触れてくっつかなくなった時)に手早くたっぷりと塗るのが良いでしょう。金液が完全に乾いてしまうとひび割れにくくなります。



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